成績どうつけられるか  その2

ご承知のように 各学期ごとに渡される通知表の成績は、あくまでもテストの結果が 基本になってつけられるものです。ですからひとつひとつのテストの結果がよければ 当然よい成績がつくはずです。
しかし、それはあくまでも原則で教科によって実技を伴う場合はその結果が成績に関 係してきます。

こんな例がありました。
私が中学校の一年生を担任していたときのことです。
運動神経があまりよくなかったA君の体育の成績に5がついたことがありました。
どう考えてもA君に5がつくとは考えられなかったのですが、そのときの実技がバスケットでシュートがまちがってうまく入ってしまったのがその理由のようでした。
勿論A君が5をとったことはA君にとっては良いことにはちがいないのですが、それまでずーつと1だったAの成績が一気に5になってしまったことにA君自身戸惑っていたことをいまでも思い出します。
またこんなこともありました。
私が小学校で理科の専科として6年生を受け持っていたときのことでした。
あるクラスの理科の成績をつけるときに、テストの結果から当然5のつく子だったのですが人数の関係でどうしてもその子に5がつけられず4をつけたところ、その子の母親から大変恨まれてしまいました。本人も努力し今度こそ5がつくものと信じていたのに結果は前と変わらず大変がっかりしてしまったようでした。
私もあとになって、この子に5をつけたやればよかったとつくづく後悔したことを覚えています。
このように、ひとりひとりの子どもに成績をつける すなわち評価することは教師にとってとても大変な仕事なのです。

いま、文部省では、この相対評価をやめて絶対評価をとりいれることを考えているようです。
しかし これにもまた問題があります。
次回では、この絶対評価について考えてみたいと思います。

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