いじめ・登校拒否について考える  最終回   いじめは無くならない

 先日、かつての教え子のお母さんにお会いした。そのお母さんいわく「子供に手 がかからなくなったのでスーパーのレジ係のパートをやっている」ということでした。
 ところが実際に勤めるようになってから、会社の中での「いじめ」のすさまじさに驚いたということでした。
 最初のうちは、先輩の方が親切に指導してくれてたのですが、仕事に慣れて来た頃から次第に「いじめ」が始まったそうです。
 そのお母さんは、頭のよい人で気の利くところのあるとても立派な方でしたからおそらくパートの仕事の飲み込みも早く、何かにつけて上司(男性)からも注目されていたようです。それが仲間たちの「ねたみ」となって「いじめ」に変わって行っ たのかも知れません。結局そのお母さんは近いうちにパートの仕事をやめることにしたそうです。
 わたしが4年生を受け持っていたとき、これと同じような「いじめ」が起きたことがありました。
 学芸発表会に向けて、ピアノ伴奏を決めたときのことでした。ピアノのレッスンを小さいときから受けていた子が4〜5人いたのですが、なかでもA子ちゃんが最も 上手でした。このことはクラスの子供たちのだれもが認めていましたから、全 員一致でピアノの伴奏はA子ちゃんさせることに決まりました。
 ところが2〜3日たった時A子ちゃんがとつぜんビアノの伴奏をやめたいと申し出てきました。理由はB子ちゃんとその仲間の「いじめ」でした。B子ちゃんも小さいときからピアノを習ってましたから、うまいことはうまいのですがA子ちゃんと比べると大分技術的には劣っていました。ところがB子ちゃんはとても気の強い子でしたから、自分が伴奏をしたいという気持ちが強かった訳です。結局話し合いで、二人に伴奏をさせることで無事に学芸発表会を終わらせることができました。 その後は「いじめ」もなくなり、いつもの平穏な学級に戻りました。

 以上の実例のように、いまの世の中には大人社会そのものに「いじめ」が蔓延しているのが現状ですから、子供たちの「いじめ」だけを無くそうとしてもそれは不可能に近いことと言えるのではないでしょうか。

 実際に「いじめ」で苦しんでいるお子さんをはじめそのご両親にとって、本当に申し訳ないのですが、「いじめ」をなくす妙薬は無いとしか言えないのが実態です。

 登校拒否(いまでは不登校といっています)についても、それぞれ原因が異なりケースバイケースの指導が求められますが、最近の事例では、無理に登校させないで、その子の実情に合わせた指導が行われているようです。その子の長い人生を考 えたとき、最もその子に合った生き方を模索してやることしか解決策が見当たらないのが現状のようです。「学校」に行かせることだけが解決策であるという親の考え方 変えて行かないかぎりこの問題は解決できないような気がします。

  《お礼》大林様
 貴重なご意見ありがとうございました。
 私も全く同感です。ご希望に添えるよう投稿したいと考えています。

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