教育改革その2
文部省の現場いじめ


私が現職の時、こんな体験をしたことがあります。
たしか3学期に入ったころのことでした。

文部省のオエライさんの名前で、おおむね次のような内容の通知がきました。

『貴管内市立中学校の中から、6泊7日の宿泊施設つかった体験学習を実施できる学校を選んで至急報告しなさい。』というものでした。さらに続いてもし、実施できる学校の報告がない場合は、ほかの予算がカットされることがあるので念のため ということでした。
  当時、全国的に中学校が荒れはじめ、社会問題になりだした頃でしたから、文部省の意図も分からない訳ではありませんが、なにしろそのやり方には学校現場の実態を知らな過ぎる文部省のオエライさんに憤りを感じました。
  だいいち中学校の3学期といえば、時間がいくらあっても足らないくらい行事たてこんでいる時期なのに、急に1週間も使って「体験学習」などやれるはずがありません。こういうことを平気でできる感覚が私には分かりませんでした。教育の総本山たるべき文部省がこのような現場いじめとも思えるような教育行政をしていて、「いじめ問題」なんか解決できるはずがない、と感じたのは私ばかりではないと思います。
  教育改革を論じるまえに、文部省のオエライさんの意識改革のほうが必要のようなのではないでしょうか。
前回にも申し上げましたが、文部省というお役所は「きわめて保守的」なお役所ですから、教育行政そのものも「上意下達」が徹底しているところです。
平たく言えば  「オカミのいうことは、だまって言うことを聞け」 主義なのです。その世界に入ると、あたかも江戸時代にタイムスリップしたかのような世界なのです。 口を開けば「授業時間確保」を唱えながら、一方ではこんな無理難題をおしつけられる学校現場はたまったものではありません。
もっともっと血の通った教育行政を望みたいものです。


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