《上手に叱ること・上手にほめることは難しい!?》 その3 最近、こどものしつけや育て方についての相談や講演会などで 「ほめること」ばかりが強調され過ぎているように思います。 前回のHPでご紹介したのもその典型です。 若いお父さんやお母さん方が、このような内容の講演や相談を信じて「子育て」をしていったとしたら、子供達はいったいどんな子育って行くのかいささか不安になります。 こう申し上げると、私が「ほめる」ことをいかにも否定しているようにうけとめられそうですが、そんなことはありません。 確かに、子育てのなかで「ほめる」ことは 大切なことです。その一例を紹介します。 私が2年生担任の時でした。ある朝 たかゆき君がうれしそうな顔をして私にこんなことを言いに来ました。 「先生ね ぼくね 今朝ね 納豆食べて来たんだよ」 私は、一瞬なぜ たかゆき君がこんなことをうれしそうにわざわざ報告に来たのか思いましたがが、その様子があまりにもうれしそうだったので、すかさず 「そーう たかゆきくん えらい!」 と私もうれしそうな顔をして答えました。 たかゆきくんは、小さいときから好き嫌いのはげしい子で 体も細く虚弱体質の子でした。お母さんもそのことでいつも気を使っていました。 後になってこのことを思い出した私は、納豆を食べられたということが たかゆき君にとっては、よほどうれしい出来事だったに違いないと、思いほめることのタイミングの大切さをつくづく思い知らされたのでした。 そのたかゆき君も今では立派な社会人として仕事に励んでいるようです。そのためかどうかは分かりませんが、今でも親子で毎年、年賀状を送ってくれています。 この例からお解りのように、子どもが「ほめられたい」と思ったときタイミングよく「ほめてやる」ことが上手なほめかたのような気がします。 子どもは「ほめられたい」時には「ほめてほしい」顔をします。その顔を見逃さないで、ほめてあげられるお母さんははとてもすばらしいお母さんと思います。 親や教師の一言が転機となって世に名を残すような偉業を成し遂げた人も数多くいます。 しかし、「叱る」と言うことも子育てには大事なことです。むしろ最近の子育てではこのことがおろそかになりすぎているようです。 非行を犯した青少年が口をそろえて言うことは「今まで、本気で叱られたことが無かった」ということから考えても、「ほめる」ことばかりを強調することは、かえって 時代に逆行する子育てのような気がするのです。 皆様のご感想お待ちしております。 |
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