過保護について考える  その4 過保護な親にならないために

 経済的な豊かさや生活の便利さ、そして少子化や受験戦争などが原因となって小・中学生をもつお父さんやお母さんを、知らず知らずのうちに過保護な親に変えているというのが今の社会なのではないでしょうか。
そこで今回は過保護な親にならないための心掛けについて考えてみたいと思います。

その第一に「子どもに対する言葉遣い」があります。
幼時の頃使っていた言葉を子供がいくつになってもそのまま使っているお母さんがよくいます。
家庭訪問などで話しをしてみると「うちのボクは」「○○チャン」「○○クン」「おポチャ(お風呂)」「パパ ママ」などといった言葉が6年生の子供を持つお母さんから出てくるのです。
私はこんなとき「このお母さんは随分過保護なお母さんだな」と思いました。
まだまだ気をつけて見ると大きく成長したわが子を前にして幼時語を使っていることがよくあるものです。
自分の子どもに対する言葉遣いは、親の気持ちの現れでもあるわけですから、大きく成長した子どもに対していつまでも幼時語を使うということは私に言わせればやはり過保護な親と言わざるを得ません。
そんなわけで子供に対しする言葉づかいは子どもの成長にあわせて変えていくことが大切なような気がします。

第二に「親は子供の成長にあわせて少しづつ手抜きをしていく」と言うことです。
私が小学校低学年を担任していたときに最も感じたことがこの「手のかけすぎ」でした。
 子供の日常生活のなかで子供自身でできることに親が手をだしていることはありませんか。
子どもが小さいときの生活習慣を大きくなってもそのまま続けているお母さんが結構多いのです。
私は新学期が始まった最初の参観日のとき保護者にかならず「いままでお子さんにやってあげていたことを一つでも二つでもよいから手を抜いてやってください」といってお願いをしました。
ただし、そのための協力も担任としてしてきたつもりです。(たとえばおかあさんが手を抜いたために子どもが忘れ物をしたときのために教材の用意をしておくなどなど)
 新学期や進級の時期は、親が子どもに対して手を抜くのに最もよい時期なのです。

第三に「欲求不満にたえる暮らしを工夫する」ことです。
今の子供達は、小さいときから欲しいものがいつでも手に入るという育ち方をしてきています。
経済的な豊かさや少子化などが今の子供達から欲求不満に対する耐性(我慢すること)を奪ってしまっているのです。
ちょっとしたことですぐキレる、ムカつく、ジッとして人の話が聞けないなどなどの現象はこの欲求不満耐性の欠如からくる現象ではないかと私は思うのです。
そこで、小・中学生をもつお父さんお母さん、毎日の暮らしのなかに「我慢をする場面を意図的につくってお子さんの欲求不満に対する耐性を少しずつ育てていく」ことが過保護な親からの脱却には必要なことと思います。
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