『テストについて考える』 その1  テストって何のためにやるの?

「おかあさん テストかえってきたよ」子供から渡されたテストの答案用紙を見て、「なあにこの点 もっといい点 取れないの?」 こんな光景が目に浮かぶ時期になりました。
「テスト」という言葉は誰にとってもあまり良いイメージはないようでが、テストと言っても、その目的によっていろいろなテストがあります。ふつう小学校では、学年によって違いはありますが、1学期の間に各教科(国語.算数.理科.社会)について10回前後のテストが行われます。また中学校では、各教科の担任が独自で行うテストのほかに、中間テストが6月上旬ころに、期末テストが7月上旬に実施されるのが一般的です。
 ところで、学校のテストは何のために行われるのでしょうか。
お母さん方の中には、「成績をつけるため」とか、「通知表の順位をつけるため」などと考えている方もあるかもしれません。
勿論それも一つの理由かもしれませんが、小学校や中学校で、普段行うテストは、簡単に言うと「決められた学習内容が、ひとりひとりの子供にどのくらい身についたか」を知るために行うものなのです。 だからテストの結果、まだ理解が不十分なところがあった場合には、その部分をくりかえし指導することによって、ひとりひとりの子供たちに学習内容をしっかり定着させる、そのための手掛かりを得るためのものが学校でおこなうテストと考えてよいでしょう。だから極論すれば、教師は自分が受け持つ子供達全員が満点をとれるようになるまで、指導とテストをくりかえしくりかえし行うべきなのです。
皮肉なことに最近の学習塾では、こういう方法で塾生の学習内容の定着を図っているところが多いようです。ご承知のように、学習塾では本人の学習の状態をつねに把握しながら、成績の向上を図っているようです。本来こういうことは学校が行うべきことなのです。学習塾は学校と違って文部省などの規制がありませんから、その点が全く自由なわけです。「勉強は塾で、躾は学校で」などという本末転倒の時代になっているのが今の教育の現状のようですね。
このように申し上げると、いかにも塾の宣伝をしているように受け取られそうですが、そんなつもりは全くありません。私が言いたいのは「学校はあくまでも勉強を教えるところである」と言うことです。学校が本末の目的を果たせず、塾にとって代わられている現状が情けないのです。
学校で行うテストは、このように「子供たちに学習の内容がどの程度理解されたかを、指導する側が知る手段として行われるもの」であって、決して「序列」や「順位」をつけるためのものではないということを保護者のみなさんにぜひ認識していただきたいのです。
保護者のみなさんからのお問い合わせをお待ちしています。
次回もテストについて考えてみたいと思います。

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